2012-12-13

適正価格とは

伊勢丹松戸店での1週間の出展は、無事終了しました。立地的な理由からか全体的にお客さんの数は少なかったものの、少なくない方々に作品を気に入っていただけて、うれしく思います。

今回、百貨店では初出展となりましたが、いろいろ学ぶことができました。

そのうちのひとつが、うちの作品はやはり「安過ぎる」ということです。

もともと安めに設定しているのは、「普段着のおしゃれ」をコンセプトの1つにしているからです。そして、「家内制手工業」の範囲でやっていますから、価格に転嫁する経費が抑えられている、という側面もあります。

これまでも作家仲間から、「安過ぎる」という指摘は受けてはいたのですが、「貴金属を使ってるわけではないしね」などと答えていました。そうすると、「画家なんか絵の具使ってるだけなのにそれなりの値段するだろ」と言われ、「確かにそうだなあ」と思ったりすることもありました。

また、例えばうちの作品で、ガラス玉ひと粒のペンダントがありますが、これは2200円です。ところが同じガラス玉を2つ使ったピアスを2400円にしています。これは明らかにおかしな価格設定なのですが、「色違いをいっぱいそろえて欲しいな」という思いを込めてのことでした。

しかし今回の出展では、「こんなに安くていいの?」というお客さんの反応が少なくありませんでした。これは、きちんとつくったものに対しては、それだけの対価を支払ってもいい、ということなのでしょう。

ということで、今後徐々に「適正価格」にしていきたいと思います。具体的には難しいですが、お客さんが満足できて、なおかつ持続可能な作家活動ができる、というのが基準でしょうか。 もちろん、先ほど例に出したひと粒ペンダント2200円を3000円にする、なんてことはしませんので、ご安心を。この価格については不変だと思います。

そして各種サービスも今以上に充実させますし(今でも、オーダーメイドも特に手数料は取ってませんし、チェーンもいつでも交換しますし)、僕の「悪い癖」である、「(その時の気分で)すぐおまけする」というのも、多分やめないでしょうし、言わずもがなですが作品の質は常に向上させますので、みなさんにはこれまで同様、いや今以上に喜んでいただけると確信しています。どうぞよろしくお願いします。

さて、今週末は、横浜・赤レンガ倉庫でのクラフトイベントです。 赤レンガ倉庫前の広場では現在クリスマスマーケットやアイススケートリンクが設置されているようですので、お天気が崩れるらしい土曜日を避けて、ぜひ遊びにおいでください!


2 件のコメント:

  1. きなこママ2012年12月15日 6:38

    お値段は難しいですよね。
    私はお客様に「フィンランドではあなたの3倍以上する」と、30分説教されたことがあります(笑)

    お値段て、品物そのものの価値のほか、作家の名前の価値も反映しますよね。
    は?というものでも芸能人が作ってたらお値段高いし、
    今は著名な作家でも駆け出しの時はお安い。

    なので、がんばって名前を売り込みつつ、作品も向上させて
    少しずつ少しずつ・・・UP!
    謙虚に、でも卑屈にならずがんばりましょう!

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  2. ◎きなママさん

    「作家モノ」って、日本より海外での方が、正当に評価されているような気がしますね。

    伝統工芸品レベルになると、さすがに値切る人はいないでしょうが、「作家モノレベル」だと、とりあえず値切る、みたいなお客さんもいるし、市場全体が「安けりゃいい」みたいな雰囲気にもなっていますし。

    そういう中で、やはり質を向上させる努力を怠ってはいけませんね。作品はもちろんですが、サービス全般も。

    お互いがんばりましょう!

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